もっとリスクを侵さないと

Biblioteca UPF

ポンペウ・ファブラ大学の図書館が朝から晩まで開いていることを思い出して、そこで書き物をすることにした。若い人がたくさんいて、真剣に勉強しているところにちょっとお邪魔させてもらう。

今日もトレーニングだ。新しくジュリアが加わった。

ビューポイントという演じる空間を捉えるトレーニングをした。これは学校でもよくやったトレーニングで、まずは空間を歩く。それから直角に歩く。今の速度を5としたら、どんどん速度を上げていって、15ぐらいまで。それから1ぐらいまで下げる。速くしたり遅くしたり。それにあわせて体の動きが変わってくる。速くしたり遅くしたり、グループで速さを決める。グループの速度を体で感じる。

空間にあるものを確認する。壁、床、カーテン、テーブル、他にももっといろんなものがある。

それらの自分との関係を確認する。自分にどんな影響を与えているか。冷たいか、暖かいか、その影響によって自分の行動がどう変わるか。

今居る場所を確認。そして、劇場の外へ。バルセロナから、スペインへ、他の国へ、空へ、いろいろ。時空を超える。いろんな場所に行く。こんなことを1時間15分ぐらいずっとやっている。

ビューポイントは、アメリカの演出家アン・ボガードが提唱する俳優訓練法。彼女はスズキ・メソッドを生み出した演出家の鈴木忠志氏と一緒にサラトガ・スクールを創設したことでも知られる。

舞台装置でなく、何もない舞台から何かを捕らえる訓練。即興芝居に効果的とされる。何もないけど、そこにあるもの、そこにいる人に集中する。その瞬間に出たものに反応する感じ。台詞も音楽もない状態で、こんなにいろいろなものが感じられるなんて、すごいと思った。

バルセロナ

アンディと私のダイアログになった。箱を組み立ててソファーにする。二人の関係性を即興の演技で探っていく。台詞を自分でコントロールしないで。ボールを受けて返すときのように、受けたものを返すように。だんだん台詞についてきた感情が鋭くなってきた。

でも振り返ると自分が傷つかないように失敗しないようにやったと思う。もっとリスクを侵さないと新しいものを発見できない。

Pablo Picasso

終わって、CaixaForumにCine y Arte(映画と芸術)という展示会を観に行った。映画と芸術の接点に焦点を当てて展示している。ピカソがスクリーンの裏側から絵を書き、それをスクリーンの前から撮影するという映像が印象的だった。絵描き歌のように丸を書いて、それが魚になり、そして鶏になり、上から塗りつぶして人の顔になって、と、どんどん絵が変化して行く。昔だからフイルムの長さも決まっていて、監督が「後、何分」ってイライラしてしていても、ピカソはリラックスして楽しそうに描いている。この人は本当に絵を描くことが好きなんだと思った。絵の具の入った瓶を開けるからとカメラを止めさせ、また回し始めて色を塗って行く。暑いからピカソもカメラマンもほとんど裸。何回見ても全然飽きない素敵な映像だった。

Cecilia Bellorín & Ismael Dueñas - Live at Jazzsí Club

夜は今度の撮影で一緒になるセシリアのジャズコンサートに行く。彼女の歌は本当にすばらしい。人生を歌うジャズを深く表現できる年齢になった、と話していた。


Can't Help Lovin' Dat Man / Cecilia Bellorín & Ismael Dueñas