再びマドリードへ

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2時にアルメリアを出発。19時にマドリードへ到着。帰りは、ホセ監督と、パートナーのノエ、カメラのフアンホ(アルメリア出身、マドリード在住)と私の4人。車の中では相変わらずのおしゃべり。

 フアンホのお母さんは最初の夫に暴力を振るわれて離婚している。あの当時はどんなにひどい状況でも離婚をする人はほとんどいなくて、離婚してからも世間の理解がなかったことがつらかったそうだ。でもその後15歳年上のすごく優しい人と再婚して、再婚相手との間に生まれた人がお兄ちゃんとフアンホ。フアンホはお父さんが60歳の時の子で、予定外の妊娠だったとか。そのお父さんは5年前に亡くなっている。

お母さんの連れ子2人、お父さんの連れ子2人、新しく生まれた子供2人で、フアンホは6人きょうだいの末っ子。2年前にお母さんに乳癌が見つかって、今は転移がかなり広がっていて、医者に覚悟するように言われている。

今回アルメリアでお母さんに会ってきたけど、最後かもしれないな~と話していた。「病気そのものより、お父さんが亡くなってから、生きがいみたいなものがなくなった感じがする。いくら子供がたくさんいても、人生のパートナーは大事だね。」と、話してくれた。

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マドリードに着いて一休みをして、友人たちと晩御飯へ。

ナティとセルジ、セルジの友達のアルトゥーロは脚本家。セルジは役者で、ナティと一緒にやった舞台Yira(ジーラ)で監督補助をしていた。一昨年、ナティがバルセロナに来たときにも3人で会っている。

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「役者として、マドリードで試してみたかった。演劇はこっちのほうが盛ん。大小あわせて舞台はたくさんあるし、プロの役者のためのコースもたくさんある。舞台を見に行く人もたくさんいるし、もちろん役者もたくさんいるよ。バルセロナにはもう自分の足跡を置いてあるから、活動範囲を広げただけ。新しい場所で自分の世界が広がったよ。」

私はセルジの演技が好きだ。バルセロナで何度も舞台を見ているけど、いつも勉強になる。彼は役に対して謙虚だ。役者によってはその人に力量や理解などが足りなくて、役を表現しきれていないことがある。その役を自分がやりやすいように演じている。つまり役に対して傲慢だ、もう少し謙虚に役に近づかないと。

セルジにはそういうことを感じない。役に自分のすべてを預けている感じを受ける。ともすればかっこ悪ったり、みっともなかったりするシーンでも、彼が演じると人間の生き様がリアルに浮き出てきて、尊いものを見ている感じがする。すべては生きた人間が行うこと、人間は生きていること自体がすばらしい、って言う感じ。

3年前のYira(ジーラ)の打ち上げでセルジのおばあちゃんが来ていた。ちなみに彼の家族は彼の舞台には両親だけでなく、いとこや叔父さん叔母さん、おばあちゃんまで一族総出で見に来る。それだけでもびっくりなのに、ジーラは彼が出演していないのにも関わらずみんな見に来た。

おばあちゃんとなぜか話をしていた私に「みんな『かっこいい孫がいるね』っていうけど、あの子の一番かっこいいところは、(ハートを叩いて)ここよ。」って言った。素敵なおばあちゃんなのだ。