五嶋アケミ ☆ 職業:役者

スペイン・バルセロナで役者修行中

1人だけど、誰かと一緒にいる感じがする

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マドリードに無事到着。今日から映画監督のホセのおうちにお世話になる。といっても、明日、他のスタッフとアルメリアまで車で移動。2年前に彼の地でホセが監督して撮影したショートフィルム「OTAKU」がようやく出来上がったので、ようやく出来上がったので、お披露目の上映会がある。その道程550kmほど。車で 6時間ぐらいかかるそうなので、覚悟して明日に望む。

有志で作った映画なので仕事がらみではない手弁当の持ち寄り。他の仕事を持ちながら、みんなよくがんばって仕上げた根性は立派!あの撮影は、短い期間だったけど、夏の暑い盛りの撮影で、暑さとの戦いだった。私の役は着物姿だったので、汗でメイクが崩れないようにって、みんなが扇子で扇いでくれた。懐かしい。

マドリードの中心地に近いところに監督はパートナーのノエと一緒に住んでいる。彼女は映像の世界のメイクアップアーティストで、今は学校で教えている。

マドリードは2週間ほど前に、ダーリンと来ていた。ここにたった2週間前に一緒にいたなんて、不思議。

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時間がすごく余ってるけど、時差ぼけで使い物にならないので、インターネットで「センセイの鞄」を観る。

小泉さんの演技が好きだ。特に若いときの。上手じゃないけど、正直で誠実な感じを受ける。彼女の演技から受ける感情が信頼できる。柄本さんは相変わらずの名演技。いやらしさをまったく感じない。ともすれば好奇の目で見たくなるような関係を、まるで生まれたてのひな鳥を見るような、はかなく危なっかしく今にも壊れそうな形として取り扱うことに成功してると思った。

年齢差を越えた恋。今の自分にすごく当てはまる。自分はダーリンより23歳年下だけど、私だってもうすぐ50歳になるれっきとした大人。今の現状を大人の恋愛として語ってもおかしくないだろう。

f:id:akemigoto:20170404235131j:plain若いときの恋愛って自分が大人になるためか、大人になりたいのか、経験を重ねるためにする感じがする。それを経て、新しい自分を知るって感じの自分発見の楽しさがある。

でも、歳を重ねた後の恋愛って、もう自分のダメなところを嫌と言うほど思い知らされた後、自分がかつてやり忘れたことや失敗したことなど、すごく後悔したことをやり直しているって感じがする。

後悔が深ければ深いほど、やり直すのは大変だ。恋愛に至りたいという希望は強いけれど、そのステップも高いと思う。勇気がいる。回復するのにも時間がかかるからもう傷つきたくないし、やっぱり臆病になっちゃう。

人生一度きり。今やらなかったら、次はいつそれをするんだ。------こんなに簡単に人に言えて、言った自分はかっこいいけど、自分がするのは大変な言葉ってないと思う。

ダーリンと出会った時、私は演劇学校を無事卒業し、離婚も無事成立して、なぜか「人生にはぐれた」感でいっぱいだった。

でもこの夏の出会いから今日までの間、自分の基礎土台が出来たって感じ。多分パーツパーツになる石はあったんだと思う。でも接着剤がなかった。ダーリンが接着剤になって、私の土台を作ってくれた。しっかりした土台が出来たから、その上にどんな家が建っても平気だ。和風でも洋風でも、雨が降っても嵐が来ても、これからは幸せに生きていかれるだろう、そんな気分。

原作の本へのレビューが素敵だった。今度は原作も読んで見たい。

70代になっても人間は恋をするんだな。考えてみれば当然のことなのに、そんな風に思った。でも言動も年配だからといって特別なものはなく、恋をした人間の普通の振る舞いで。それなのに残された時間が少ないことが悲しかった。そしてセンセイがそれを不安に思うところが切なかった。2人の時間がずっと続けば良いのにと思っていたけど、でもこれは最期を書かなければ終われないのだと読後に気がついた。センセイが最期にツキコさんに残していたものが、人生を供にしてきた鞄だというところが泣けてしまう。