出発

 

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羽田空港を出て、北京空港に到着。ここでトランジットをして、これからスペインに行く。

バルセロナに住んで22年になる私は、日本-スペイン間の往復をもう何十回とやっているけれど、今回の移動はとても感慨深い。初めて日本から直接マドリードに行くのだ。

ほんの10日ほど前に、私はバルセロナの自分のアパートメントを引き払った。10日前に、ダンボール箱数箱に収まった自分の持ち物をタクシーに乗せて、紹介してもらった友人の友人であるレベッカのアパートメントに引っ越した。これからは彼女のアパートメントに居候する。

今の気分は非常にさっぱりしている。

実はこの1年ほど、22年前にスーツケースひとつでスペインにやってきた自分を思い出し、またあの状態に戻りたい気持ちに駆られていた。

22年でくっついた余計なものを振りはらって、ただのあたしからまたスタートしたい。。。

15年一緒にいた夫との離婚は、3年の歳月を経て、去年の6月末にようやく成立。7月から日本で夏を過ごし、そこで偶然、逗子市民劇団と出会い、彼らの11月の公演までのリハーサルを含むお手伝いをすることになった。

f:id:akemigoto:20170404231546j:plain11月4・5日の公演が無事終わり、余韻に浸るや否や母の引越し先探し。この夏に何度もやってきた台風と度重なる地震のおかげで、家が雨漏りをするようになってしまった。その他もろもろの事情もからんで、「年内に引越しをしたい!」と息巻く母に、公演が終わったら、引越し先を探すから!と、言ってあったのだ。

偶然にも4件目でよさそうな物件に出会い、すぐに母に見せる。彼女は一目ぼれ。その場で決める。12月も半ばになると引越し料金が上がるから、とのこと、引越しを12月7日に定め、それから大急ぎで荷造り、手続き、ご近所へのご挨拶。家も車も売らねばならぬ。母はこの家に40年以上も住んでいたので、その40年間での生活を3週間で清算するのは簡単な作業ではなかった。

年末年始を母と新居で過ごし、1月に入って、我が愛するダーリンと一緒にスペインにやってきた。バルセロナの私のアパートメントで最後の1ヶ月間を彼と一緒に過ごしたのです。彼とはこの夏、帰国した翌日、偶然桜木町の焼き鳥屋さんで出会った。彼が逗子市民劇団で活動しているご縁で、彼らとの関わりが始まった。

その間に私たちの距離も縮まったが「私を正しく知りたいなら、バルセロナを知ってもらわなくちゃ!それも3日とかじゃ、ダメ。1ヶ月は居てもらわなくちゃ。」と、今回の顛末になった。1ヶ月間バルセロナを拠点に、マドリード、マラガ、グラナダと足を伸ばして、私のアパートの引き払いを手伝ってもらった。

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今回のスペインで実は前から声をかけてもらっていた舞台のオーディションがあった。監督とプロデューサーたちの前で何かやってと言われて、3年前にやった舞台の一人語りのシーンと学校の卒業公演でやった二人芝居をやって、いくつか即興のシーンを指定されて、役は私に決まった。

これから、リハーサルが始まる。アパートはリハーサルが始まるから、引き払うのを止めようかなとも思ったが、もう、決めたことだし、いい機会だから引き払うことにした。また自分の場所が欲しくなったら、また最初からやればいい。

そういうことで、10日前にアパートを引き払い、ダーリンと一緒に日本に帰って、いろいろ後片付けとご挨拶をして、またスペインに戻っている。

ただのあたし。スーツケース1個とただのあたしで、また出発だ。

でも22年前のあたしと比べて、今は言葉も出来るし、友達もいるし、バルセロナは慣れ親しんだ場所だし、今のほうがずっと恵まれている。20年前のあたしに負けないように、がんばる気持ちで、今から出発する。